Eyecatch
記事公開日: 2015/08/08 インタビュー日: 2015/08/04

このインタビューでは、Realm社に今年2015年の春から所属する@kishikawakatsumiの住むマンションに伺い、日本で海外のメンバーと仕事をする上でどんな苦労があったり工夫があるのか、入社試験のようなものはどんなものだったのか、Objective-C/Swift/Android Java版の足並みを揃えるためにどういうプロジェクト管理やコミュニケーションを行っているか、について訊いています。

インタビュアーは@ninjinkunと私@yimajoが行いました。

まずRealmとは何か

Realmについて説明すると、TightDBというC++で書かれた独自のエンジンを使用したiOS, Android向けのデータベースで、Realm社によって開発されています。

Realm社の創業者は元Nokiaのエンジニアで、ローンチしたのは2011年Y Combinatorから。YCを卒業してからはステルスモードに入りプロダクトの開発に専心しており、2012年から商用利用されはじめたそうです。

インタビュー

Q. Realmの名前の由来って何なんでしょう?

  • 元々はTightDBという名前だった
  • プロダクト名をクールにしたいという話しあってふいにRealmというのが出てきたらしい

Q. Realmは将来的に他プラットフォームでも使えるようになるんでしょうか?

  • 今年終盤くらいにはWindows(.NET)やJavaScriptのベータ版が出るかも

Q. どういう経緯でRealm社で働くことにしたんですか?

  • 2014年末に日本のエンジニアと交流を持ちたいというRealm社のJoeさんと飲みに行った
    • 興味があるんだったらRealm社のVPに紹介すると言われた
    • 興味が有るよと返してVPと会話したけど特に相手の話を訊くだけだった
    • 年越して1月にまた連絡がありレジュメを送ってくれと言われた
      • リンクトインから生成したレジュメを送った
      • 問題を送ってきたのでGitHubに回答をPushして見てもらった
    • 面接的なやりとりはSkypeで既存の公開してるリポジトリ見てツッコミもあった
    • 面接期間はだいたい1ヶ月くらい

ヘッドフォンはバナナフックに置く

Q. 面接の時はどういう質問をしました?

  • 本社のあるサンフランシスコに行って働く必要があるかどうか
  • Realm社から希望する給料はあるかという話もあった
    • サンフランシスコの相場を調べたり
    • Realm社での給与レンジを聞き直した
  • 兼業はしても良いか

Q. Realm社とはどういう契約形態になってるんですか?

  • Realm社はまだ日本で働く人を正社員として契約できない(おそらく社会保険、年金など色々あるんじゃないかと予想)
    • 業務委託の形でやっている

Q. 海外の企業と仕事をするのはゲームでいうところのハードモードじゃないんですか?

  • アウトプットしさえすればハードモードとは思ったことがない
  • サンフランシスコに引っ越す必要がないのでボーナスモードかも
  • 自分の今年の状況が5年後にも同じかどうかはわからない
    • 海外の企業で働くことはコネクションを広げるリスクヘッジでもある
  • メンバーのマネージメントをやらなければいけないわけでもないしエンジニアリングに集中できる

コードを書く様子

コンパイルの待ち時間が長い時はアーケードスティックに手を伸ばすそう

スティックに手を伸ばす様子

好きなゲームはストリートファイターⅣとのことです

Q. Objective-C/Swift/Android Java版の足並みを揃えるためにどういうプロジェクト管理やコミュニケーションを行っているんですか?

  • GitHubにデザインプロポーザルがある
    • 例えばnullのサポートが必要だ、とか
  • ミーティングについて
    • チームごとに毎週ハングアウトでミーティングがある
      • 先週までやったこと、今週やること
        • 例えばWatch OS対応とか
    • 全社ミーティングは月一回GoToWebinarを使ってる
  • 他のコミュニケーションはSlackを使う

Q. 岸川さんの担当範囲は?

  • 担当範囲はrealm-cocoa(Objective-CとSwift)
    • GitHub issueにあるものを自分で対応したりする
  • たまにAndroid Javaのissueも修正対応する
  • Realm記事の日本語翻訳とかも行う

Q. GitHub ブランチはどんなふうに運用してるんですか?

  • メンバーはGitHubリポジトリをforkせずそのリポジトリにブランチをつくる
  • realm-cocoaでは自分の開発責任のあるブランチに自分のアカウント名を付ける
    • 例えばkk-とか、JPさんならjp-
  • 内部ストレージエンジン以外のOSS部分は外部の人がforkしてPull Requestする形

Q. Realmの自慢したい所あります?

  • チームが優秀
    • 例えばiOS界隈ならcocoapodsのコミッターが2人、Apple社でSafari WebKitの開発に携わってきたメンバーも居る
  • コペンハーゲンにオフィスがあるので行けるのもいい
  • 海外のメンバーと働くと仕事で使う英語のボキャブラリーが増える

mario

Q. 開発方面で岸川さんが貢献したなと思ったことを教えて下さい

  • Realmを使ってくれる日本ユーザが多いのでバグ報告してくれてそのバグ対応が多くできる
  • Swift関連のバグ修正を行ったり

Q. 日本で海外のメンバーと仕事をする上でどんな苦労があったり工夫があるんでしょうか?

  • ミーティング時のタイムゾーンが大きく分けて日本、ヨーロッパ、サンフランシスコ3つある
  • ミーティングや仕様について細かい部分がわからない時はプランBとしてアウトプットをもう一つ用意してる

Q. 今は英語どうやって勉強してる?

  • ライティングは慣れで長文が書けるようになってきた
  • ただ今はスピーキングとリスニングの両方でブレークスルーがあるような上達はしてない
  • Appple Musicで洋楽を聞くようにしてる
  • 学生時代は英語の受験勉強は自信があった

岸川家カレー


インタビュー後編はカレーをいただきながら学生時代から社会人になった頃についての質問をしました。


Q. 話題が変わるんですが、岸川さんは大学時代をどのように過ごしました?

  • バイトはしていなくて実家から1時間位かけて大学に通ってた

Q. サークルとかは?

  • サークルはコーラス部
    • コーラスの経験はなかったけど入学式で勧誘されたのがきっかけ
    • 結構まじめにコーラス部をやってた

Q. 大学の学部とか専攻科目は?

  • 文学部に入って日本文学を専攻した
    • 大学の入学時に学科を選ぶ必要がなくまずは一般教養があって、その後で日本文学を選んだ
      • 哲学、とか心理学とかも選べたけどちょっと違うなと
      • 本が好きだったし消去法で日本文学かなと

Q. 理系の学部じゃなかったんですね

  • 数学は嫌いじゃないしセンター試験は好きで100点は取れた
  • 書籍「数学ガール」とか読むのは好き
  • けど数学(の問題を解くこと自体)は好きじゃなかった

Q. 就職活動はどうしました?

  • 就職活動をした2003年はいわゆる「就職氷河期」
  • 大阪のSIerの会社を受けたら受かったのと、就職活動続けるのがしんどいなと思ったので決めた
  • マスコミ関連は自分が就職活動をする前にすでに選考が終わってた
  • 飲食店の店長の面接も行ったことがあるが自分には向いてないと感じた

Q. SIerとして社会人になったころからの事を教えてもらえますか?

  • 社会人になってからプログラミングを初めたら楽しかった
    • プログラミング自体は会社で先輩に習うより主に独学
      • ただ12歳ぐらいの頃には自宅にPower Macintosh 6100があったのでコンピュータ自体は慣れていた
  • それから東京に転勤することになって東京で働き出した
  • iPhoneのアプリを作ることに感動してiPhoneアプリをつくる会社に転職
  • iPhone登場前から技術記事はブログを書いていたりしてた
    • GitHub上にライブラリをpushしだした
  • そこからクックパッド社に誘われて転職したり、ユビレジに転職したり今に至る、と

さいごに。オレはこう思ったっス

社会人になってからプログラミングを始め、今は海外のベンチャー企業で仕事をする@kishikawakatsumi。iOS SDK登場の初期から多くの人の役に立つ技術記事を公開していたり、実用的なライブラリを公開していることで、日本でiOSアプリ開発に携わっていて知らない人はいないのではないでしょうか。

そんな彼の学生時代は大学は実家から近いところを選んだり、就職活動では飲食店の店長の面接に行ってみたりという話からは、自分の人生を楽天的に決断をしていくという流れの中で、Realm社に参加したような感じでもあったのが印象的でした。

もし、海外(特にサンフランシスコ)で働きたいと考えている人がいれば、@kishikawakatsumiに声をかけてもらえればとのことです。

ninjinkunとkishikawakatsumi

ゆるい雰囲気が魅力の岸川さんでした。

参考

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  • 記事公開日: 2015/08/08
  • インタビュー日: 2015/08/04

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カメラはキヤノン製ミラーレス一眼「EOS M3」でレンズは「EF-M22mm F2 STM」にライカ風カメラフードを付けてます。

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